【150名が参加】第1回総領事杯龍舟(ドラゴンボート)大会開催
【150名が参加した記念すべき第1回】ドラゴンボートレース大会総領事杯開催
去る9月11日、佛山市南海区九江鎮の九江龍舟訓練基地にて、第1回ドラゴンボート(龍舟)レース大会総領事杯が開催された。選手と関係者合わせて150名が参加した同大会は、在広州日本国総領事館、広州日本人学校、広州日本商工会、南海日商友誼会の4団体が南海区政府と協力して中国華南の伝統行事である同レース大会を実現。コロナ防疫という厚い壁にぶつかりながらも、開催実現に向けて尽力した広州日本商工会サービス分科会の東口和文会長に同大会開催についての経緯と大会の内容を紹介する。
関係者一同の集合写真
南海区視察で企画を構想
同大会開催の構想は、2019年12月在広州日本国総領事館(以下総領事館)が主催した南海区視察時に九江龍舟訓練基地への訪問したことがきっかけ。在広州日本国総領事館の石塚英樹総領事(当時)及び同行した東口氏を含む同商工会役員数人が龍舟体験を行い、同総領事と同氏が総領事館、商工会合同で龍舟大会の開催の検討を行い、2020年3月8日に開催日を決定した。
同大会開催きっかけとなった2019年12月同区政府視察の際龍舟体験とユニフォームで使われた石塚前総領事の揮毫(きごう)「南海龍」
しかし、2020年1月末に武漢を発端とした新型コロナウイルスの蔓延に伴い開催延期を余儀なくされ、同年9月に同大会の開催を10月17日に決定するものの、コロナ防疫のために南海区から再度延期の要請が来たため、2021年3月中旬に延期を決定。2021年1月中旬、広州日本人学校が修学旅行で同地を訪問した際、同訓練基地で先生3名、生徒15名、旅行社2名が龍舟を体験した。
花園ホテルに集合したあと、九江龍舟訓練基地に移動
3月7日には東口氏のプライベートによる体験会を開催。日本人24名が参加し、2艇で2勝先取式のレースを実施し成功を収めた。その後、5月に九江鎮政府から次回開催の問い合わせがあったため、東口氏は在広州日本国総領事館の亀井啓次総領事と打ち合わせを行い、商工会内部の議論を経て、9月11日に開催を決定。2度延期を余儀なくされた同大会の開催が3度目、1年9カ月目にようやく実現できた。
予選で奮闘する各チーム。左上から南海日商友誼会チーム、総領事館チーム、商工会Bチーム、Aチーム
商工会Cチーム
今回の開催実現にあたり東口氏は、「コロナ感染と防疫対策が一番大変した。大会当日、PCR検査の陰性証明が参加条件となり、参加者は半減すると想定しましたが、多くの方に検査を受けてご参加頂きました」と胸をなでおろしている。
座学で司会を務める東口氏
午前中から全力で競い合う
「ドン、ドン、ドン!」緑が生い茂る川の水面の上を、太鼓手の叩く太鼓の音に合わせて全長12mを超える最大20名乗りの2艇の龍舟が18名の漕手と一丸となり速度を競いあう試合が行われた。
挨拶をする亀井総領事
九江龍舟訓練基地は男子チームが1984年、女子チームが2008年に設立している。08年〜19年の間、国内外での試合において金メダル386枚を獲得している
この龍舟は、紀元前278年、楚国大臣の屈原が自国の将来を憂い、湖南省汨羅(べきら)というところで入水自殺したところ、彼の死を悲しんだ漁民たちが彼の遺体を探し出すため小舟に乗って川に繰り出したことが起源のひとつと言われている。
1976年に香港で開催された「香港国際龍舟祭」をきっかけに「ドラゴンボート」という名称に統一して国際的スポーツに変貌を遂げており、組織された世界ドラゴンボート連盟に加盟する国と地域は68カ国、加盟希望国が11カ国のものぼる。日本の沖縄県や長崎県でもドラゴンボートレース大会があるのは有名だ。
記念品交換。広州日本商工会の菅野会長から同基地の呉教練に錦旗が渡され、南海区九江鎮の謝咏𡛾党委から菅野会長に陶器が渡された
今回の総領事杯では、6チームと120名の選手が参加。6艇の龍舟に乗船して、午前と午後の2回に分けて激しい試合を繰り広げた。
怪我をしないように念入りに準備運動
午前は、訓練基地の会議室で大会の開会式およびレースの説明と座学を行い、その後同基地の舟乗り場にて4艇の龍舟を飾る龍の像の目に点を入れる神聖な儀式の「采青」を実施。最初に同基地の龍舟チームによる模範漕艇を見学したあと、念入りな準備運動を行い水上練習に入った。
采青では、ボートの船首に
取付ける龍の像の目に点を入れる
最後は、地元産のお酒を龍の像に掛けたあと全員で乾杯
龍舟は20名の選手が乗船して速さを競う団体戦であるが、普通の手漕ぎボートとは違い漕ぎ手はボートの左右に1名ずつ座り、両手でパドルを持ち水面に突き刺して掻き込むように力を込めて漕ぐ。これを20名同時に行うのでギャラリー側としては壮観に映る。
練習会商工会Bチーム
やはりチームの息が合っていれば他チームよりも速度は出るし、何より動きが美しい。2艇ずつ乗船し双方反対側に全力で漕ぎ、綱を引っ張り合う綱引きでは、練習とはいえ時間が経つにつれ一部の選手たちの顔から次第に疲労が表れるなど、なかなか前に進めない分辛そうだった。
綱引きに向かう商工会Aチーム
商工会AチームとBチームの綱引き
午後は手に汗握るレース展開
午後からは6チームが2艇ずつ乗船し200mの距離をタイムで競う試合が開催。総領事館チーム、日本人学校チーム、広州商工会Aチーム、同Bチーム、同Cチーム、南海日商友誼会チームら各チームはベストタイムを目指すべく競い合った。
最初の予選では好タイムだった総領事館チーム、日本人学校チーム、広州商工会Aチーム、同Bチームが上位に残り、総領事館チーム、日本人学校チームが決勝に残り、そのうち予選1位2位の決勝戦と予選3位4位の3位決定戦が行われた。こちらはタイムではなく純粋に速さを競うレースである。
左上から日本人学校チーム、商工会Aチーム、Bチーム、南海日商友誼会チーム
予選は各チームが2回出走し、合計タイムで順位を付けた
メンバーの少ないチームは同訓練基地のプロが応援に入り、世界に誇るレベルを見せつけた。選手たちが全力でパドルを漕ぐ際の必死の形相からこのレースの大変さが伝わり、接戦による手に汗握る展開が随所で見られた。
決勝では総領事館チーム(手前)と日本人学校チームで行われた
3位決定戦では、商工会Bチームが制した
広州日本商工会菅野会長から総領事館チームの亀井総領事に優勝カップが手渡される
決勝戦で見事第1回総領事杯を制したのは総領事館チーム。2位は日本人学校チーム、3位は広州商工会Bチームだった。
レース後に行われた懇親会では、参加者たちがお互いに健闘を称え合い、乾杯を繰り返すことでそれぞれ親睦を深めた。
訓練基地関係者たちと別れた後は広州で懇親会を開催
同商工会の菅野達志会長は、「毎年恒例で開催できたらと思います。来年も次期商工会会長に引き継いで継続でいたらと思う」と来年の開催実現に向けての意欲を語った。
円陣を組む商工会Bチーム
広州で暮らす日本人たちが、南海区政府と協力して中国伝統行事である龍舟大会の成功を収めることができたことは、日中友好交流事業の促進に貢献すると同時に、来年迎える日中友好国交正常化50周年に向けて、同区政府及び中国とのさらなる力強い友好関係を築く弾みとなった。
主催
広州日本商工会
協力
南海区九江鎮政府
九江龍舟訓練基地
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